ローマの空港にて
2002年11月8日どんな飛行機に乗るときも、搭乗前に荷物はX線を、人間は金属探知機を通る。以前ベルトのバックルで鳴って以来、バックルはもちろん外し財布、時計など金属という金属は身に着けずに通るようにしていた。
当然ローマの空港でも同様に万全の態勢で臨んだ。2列で進んでいく内に、やたら金属探知機が鳴っているのに気付いた。僕は内心勝ち誇っていた。どんなに警戒が厳しくても完璧だ。そう思っていた。
そして僕の番。係りのねーちゃんのキツイ視線に負けずに「Hello」とにこやかにゲートをくぐる。
ブー
うそっ!なんで?
その時の僕の顔は面白いくらいビックリしていたことだろう。完璧だったはずだ。残った金属なんて奥歯に詰めた銀歯くらいしか思い当たらない。挨拶をイタリア語で「Buon giorno」と言わなかったのが悪いのか。
キツめのねーちゃんが金属探知棒を持って近づいてくる。更に険しい視線で僕をあたかも犯罪者であるかのように睨む。探知棒は右ポケットの辺りで大きな音を立てた。
何も入っていないはずだ。ポケットに手を突っ込んでみても何もない。「Nothing」ほれ、見てみろ。とばかりにポケットをひっくり返した。
するとぽろっと何かが落ちた。拾い上げてみるとそれはなんとガムの包み紙だった。小さすぎて気付かなかったのだ。それにしてもこんなモノまで引っかかるとは…。警戒の厳重さに半ば呆れ、半ば感心するともに欧米諸国が直面している「テロ」という問題の大きさを実感した。
ガムの包み紙を係りのねーちゃんに見せながら微笑んでみたが、彼女の顔つきは全く変化せず、すぐに次の対象者に厳しい視線を投げかけていた。
当然ローマの空港でも同様に万全の態勢で臨んだ。2列で進んでいく内に、やたら金属探知機が鳴っているのに気付いた。僕は内心勝ち誇っていた。どんなに警戒が厳しくても完璧だ。そう思っていた。
そして僕の番。係りのねーちゃんのキツイ視線に負けずに「Hello」とにこやかにゲートをくぐる。
ブー
うそっ!なんで?
その時の僕の顔は面白いくらいビックリしていたことだろう。完璧だったはずだ。残った金属なんて奥歯に詰めた銀歯くらいしか思い当たらない。挨拶をイタリア語で「Buon giorno」と言わなかったのが悪いのか。
キツめのねーちゃんが金属探知棒を持って近づいてくる。更に険しい視線で僕をあたかも犯罪者であるかのように睨む。探知棒は右ポケットの辺りで大きな音を立てた。
何も入っていないはずだ。ポケットに手を突っ込んでみても何もない。「Nothing」ほれ、見てみろ。とばかりにポケットをひっくり返した。
するとぽろっと何かが落ちた。拾い上げてみるとそれはなんとガムの包み紙だった。小さすぎて気付かなかったのだ。それにしてもこんなモノまで引っかかるとは…。警戒の厳重さに半ば呆れ、半ば感心するともに欧米諸国が直面している「テロ」という問題の大きさを実感した。
ガムの包み紙を係りのねーちゃんに見せながら微笑んでみたが、彼女の顔つきは全く変化せず、すぐに次の対象者に厳しい視線を投げかけていた。
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