ランボー 最後の戦場
2008年6月7日 映画
得意先の人の薦めもあり、観てきました。残虐なシーンが多いと聞いていたのでヨメには観せたくなかったのだが、結局一緒に行くと言ってきかず・・・やっぱり後で後悔したのでした。
ま、ケリを付けたかったのだけは理解できる。「怒りのアフガン」で一緒に戦って、エンドロールで賛辞まで捧げたゲリラたちは、今やアメリカの敵タリバンだった訳だし、ランボーも「俺ってなんだったのさ?」と呟きたくもなるだろう。今回、救出されて抱き合う男女を見つめるランボーのなんともいえない表情が、それを物語っているようにも思えた。
内容に関しては「だって、ランボーだから」の一言で片付けられる。救出作戦などは杜撰の極みと言っていい。だってプロの傭兵だったら逃走ルートの確保は常識だろうし、追っ手の足を止めておく、つまりトラックの空気を抜いとくぐらいはできるでしょ。ま、ランボーが機関砲を撃ちまくるシーンを演出するためには、そんな瑣末なシーンは無視されて然るべきなんだろうけどね。
彼の旅は終わった。穏やかなラストは、それまでのシーンと一転して美しい。そのギャップと現在の世界情勢とを考え合わせれば、なかなか考えさせられるけど、「人間ランボー」に共感することができなければ、中身の薄いスプラッタ映画になってしまうかも。
ま、ランボーですから。
ま、ケリを付けたかったのだけは理解できる。「怒りのアフガン」で一緒に戦って、エンドロールで賛辞まで捧げたゲリラたちは、今やアメリカの敵タリバンだった訳だし、ランボーも「俺ってなんだったのさ?」と呟きたくもなるだろう。今回、救出されて抱き合う男女を見つめるランボーのなんともいえない表情が、それを物語っているようにも思えた。
内容に関しては「だって、ランボーだから」の一言で片付けられる。救出作戦などは杜撰の極みと言っていい。だってプロの傭兵だったら逃走ルートの確保は常識だろうし、追っ手の足を止めておく、つまりトラックの空気を抜いとくぐらいはできるでしょ。ま、ランボーが機関砲を撃ちまくるシーンを演出するためには、そんな瑣末なシーンは無視されて然るべきなんだろうけどね。
彼の旅は終わった。穏やかなラストは、それまでのシーンと一転して美しい。そのギャップと現在の世界情勢とを考え合わせれば、なかなか考えさせられるけど、「人間ランボー」に共感することができなければ、中身の薄いスプラッタ映画になってしまうかも。
ま、ランボーですから。
ベストアニメは?と問われれば、「ガンダム」と迷うところだけど、きっと「地球へ・・・」と答えるだろう。小学生の時に映画とマンガを見た覚えがあって、かなり強烈な印象が残っている。
生まれる子どもは試験管ベビー。14歳に「目覚めの日」を迎えると、今までの記憶すら失くしてしまう全てが管理された世界。ミュウという超能力者と人間たちの争い。環境が破壊された社会を回復させるために造られた管理社会、頂点に君臨するマザーコンピュータ。
ジョミー、キース、シロエ、トーニー・・・キャラクターもよく覚えている。映画ではキースの声を沖雅也が担当していて、「はい、マザーイライザ・・・」と答える渋い声が懐かしい。
ちょっとネットで調べてみたら、映画が上映されたのは1980年。なんと僕は7歳、小学2年生だ。よく覚えているもんだ。
4月からアニメで放映されるんだね。確かに描かれている問題は現代社会に通ずるものがあるので、そこをどのように投影していくのかは興味深い。
http://www.terra-e.com/
でも土曜日の夕方6時なんて、見られるわけないじゃん。
「地球へ・・・」って普通に変換したら「寺へ・・・」になった。当たり前か。
生まれる子どもは試験管ベビー。14歳に「目覚めの日」を迎えると、今までの記憶すら失くしてしまう全てが管理された世界。ミュウという超能力者と人間たちの争い。環境が破壊された社会を回復させるために造られた管理社会、頂点に君臨するマザーコンピュータ。
ジョミー、キース、シロエ、トーニー・・・キャラクターもよく覚えている。映画ではキースの声を沖雅也が担当していて、「はい、マザーイライザ・・・」と答える渋い声が懐かしい。
ちょっとネットで調べてみたら、映画が上映されたのは1980年。なんと僕は7歳、小学2年生だ。よく覚えているもんだ。
4月からアニメで放映されるんだね。確かに描かれている問題は現代社会に通ずるものがあるので、そこをどのように投影していくのかは興味深い。
http://www.terra-e.com/
でも土曜日の夕方6時なんて、見られるわけないじゃん。
「地球へ・・・」って普通に変換したら「寺へ・・・」になった。当たり前か。
毎月1日は映画1000円という気軽さと、近くのシネコンで公開が明日までという切迫感に背中を押されて「墨攻」を観てきました。残念ながら酒見賢一著の小説も、大ヒットしたという漫画も読んでいない。「墨家」という集団がいたこと、戦闘のプロであったということ、入れ墨をしていたこと・・・そんな程度の知識しか持っていなかった。
あ、一応僕の大学の専攻は東洋史ですが、なにか?
宣伝文句はスケールが大きい。
「10万の敵に、たったひとりで挑む」
彼が城に来なければ戦いは生じなかったことを考えれば、このフレーズも頷ける。ただ実際に「10万人対1人」なんて構図は、ネットでブログ炎上!なんてケース以外あり得るはずがない。戦ったのは数千人の戦闘員と非戦闘員。羊の群れを率いる狼のように、墨者たる革離が活躍するストーリー。
攻城戦を中心に描いているため、スケールが大きそうに見えて、実はすごく狭い部分を描いている。そりゃ10万人ものエキストラを動員できるはずもなく、当然「軍勢、雲霞のごとく」といった迫力は感じられない。確かに当時は数を誇張するケースが大半と考えられ(「三国志」赤壁の戦いの時の曹操軍100万みたいな)、10万の軍勢って言ってもせいぜい3、4万くらいだったのかもしれないけど。
また、紀元前の話なので時代考証もあったもんじゃないが「あんな大声で裏切りの相談してたらバレるでしょ、普通」的なツッコミどころも多かった。あと「鎧を身に着けて、あの高さから飛び込めば死ぬでしょ、普通」や「そもそもあの時代に気球なんてあったんか」などなど。
だけど全体的な流れや、戦闘シーンでの高揚感、アンディ・ラウのかっこよさ、ヒロインの美しさ(かなり高得点)などを加味すると僕としては合格点。戦争の愚かさ、愚鈍な指導者が導く結末、いとも簡単に人が死んでいく虚しさや儚さ。「非戦」「兼愛」を説きながら、より多くの人を殺すことが自らの存在意義であった革離の二律背反的な哀しみ。ちゃんと描出されていたと思います。
ただ「墨守」に対して「墨攻」という言葉を創ってまで、革離に託した意義が今一つ解からない。それが一女性に向けた愛情を指すのであれば、ちょっと矮小化し過ぎのような気もする。
「愛は世界で最も尊い」なんて言いたいわけじゃないでしょ、この映画。革離の「攻」が前面に押し出されなかったことで、全体的に曖昧なままストーリーが進んでいった印象が強い。
やっぱり予備知識が必要な映画だと思う。原作を読んでいたり、中国史に興味がある人ならそれなりに楽しめる。
あ、僕の卒論のテーマは「韓非子」でしたが、なにか?
あ、一応僕の大学の専攻は東洋史ですが、なにか?
宣伝文句はスケールが大きい。
「10万の敵に、たったひとりで挑む」
彼が城に来なければ戦いは生じなかったことを考えれば、このフレーズも頷ける。ただ実際に「10万人対1人」なんて構図は、ネットでブログ炎上!なんてケース以外あり得るはずがない。戦ったのは数千人の戦闘員と非戦闘員。羊の群れを率いる狼のように、墨者たる革離が活躍するストーリー。
攻城戦を中心に描いているため、スケールが大きそうに見えて、実はすごく狭い部分を描いている。そりゃ10万人ものエキストラを動員できるはずもなく、当然「軍勢、雲霞のごとく」といった迫力は感じられない。確かに当時は数を誇張するケースが大半と考えられ(「三国志」赤壁の戦いの時の曹操軍100万みたいな)、10万の軍勢って言ってもせいぜい3、4万くらいだったのかもしれないけど。
また、紀元前の話なので時代考証もあったもんじゃないが「あんな大声で裏切りの相談してたらバレるでしょ、普通」的なツッコミどころも多かった。あと「鎧を身に着けて、あの高さから飛び込めば死ぬでしょ、普通」や「そもそもあの時代に気球なんてあったんか」などなど。
だけど全体的な流れや、戦闘シーンでの高揚感、アンディ・ラウのかっこよさ、ヒロインの美しさ(かなり高得点)などを加味すると僕としては合格点。戦争の愚かさ、愚鈍な指導者が導く結末、いとも簡単に人が死んでいく虚しさや儚さ。「非戦」「兼愛」を説きながら、より多くの人を殺すことが自らの存在意義であった革離の二律背反的な哀しみ。ちゃんと描出されていたと思います。
ただ「墨守」に対して「墨攻」という言葉を創ってまで、革離に託した意義が今一つ解からない。それが一女性に向けた愛情を指すのであれば、ちょっと矮小化し過ぎのような気もする。
「愛は世界で最も尊い」なんて言いたいわけじゃないでしょ、この映画。革離の「攻」が前面に押し出されなかったことで、全体的に曖昧なままストーリーが進んでいった印象が強い。
やっぱり予備知識が必要な映画だと思う。原作を読んでいたり、中国史に興味がある人ならそれなりに楽しめる。
あ、僕の卒論のテーマは「韓非子」でしたが、なにか?
ALWAYS 三丁目の夕日 通常版
2007年1月4日 映画
いや、悪くはないよ。むしろ良い。惜しむらくは文学か。吉岡君の演技も決して悪くはないんだけど、ちょっと鼻にかかった感じがどうかなと。
小雪さんも、堀北さんも上手だっただけに、中心となる吉岡君には注文が多くなるのは必然でしょう。続編ができるみたいだから、次回に期待かな。
次回作は東京オリンピックぐらい進んでるのかな。
小雪さんも、堀北さんも上手だっただけに、中心となる吉岡君には注文が多くなるのは必然でしょう。続編ができるみたいだから、次回に期待かな。
次回作は東京オリンピックぐらい進んでるのかな。
男たちの大和/YAMATO
2007年1月3日 映画
公開中から観たかったのですが、なんとなくテレビ局の宣伝に乗ってしまうのが嫌で・・・。深夜、DVDで鑑賞。
戦争映画としては、戦闘シーンのディテールがしっかりしていたように思う。ま、もちろん自分も戦場に出たことはないので、それがどこまで真に迫っているかは分からないけれど。機銃にマガジンをセットするシーンなど「なるほどな」と納得。
だからといって、この映画の評価は難しい。というか戦闘シーン以外が嘘っぽく、作りが雑なのだ。あ、ネタばれあるのでご注意下さい。
まずは鈴木京香と仲代達矢の件。そりゃねーだろ的なツッコミどころが満載です。
・あの漁船で枕崎から徳之島沖まで往復すること自体、どだい無理でしょう。
・心臓が停止している場合、もし蘇生したとしても、あんな素早く症状が改善することはないんじゃない?
・夜のシーンで合成丸出し。
・内田(鈴木)さんの生い立ちが無理やり。
・少年が舵を取っていたけど、外洋だから1級船舶免許が必要だよね?君、無免許だよね?
漁船での寸劇はなくてもよかったんじゃないでしょうか?そんなことせんでも、二人を会わせる手段は他にいくらでも考えられる。神尾(仲代)の戦争を終わらせるためとはいえ、あまりにも唐突かつ強引過ぎる。
数え上げればキリがない。確かに本筋からは外れているから、どうでもいいっちゃどうでもいいんだが・・・。戦争映画に無理して人間ドラマを描こうとするとこうなる、という見本みたいなもんだ。
実は大和艦上でもいろいろとおかしな点はある。最たるものは、中村獅堂の無断乗艦。また、主砲で三式弾を斉射する際に、機銃員を避難させなきゃ爆風で飛ばされちゃうんじゃね?
ま、別に省略しても差し支えないと判断したんだろうけどね。
僕が最も納得いかないのが、吉田満著「戦艦大和ノ最期」で詳細な記述が見られ、大和が沖縄に向かう意義を説く重要な役割である臼淵大尉を、こともあろうか長嶋一茂が演じていたことだ。完全なミスキャストだろう。熱く語るでもなく、冷静に諭すでもなく、セリフ棒読み。テレビ局の意向なのかなぁ・・・残念。
僕の予想では、伊藤長官と有賀艦長が羅針盤に自らの身体を縛り付ける、というシーンが入っていると思っていた。兵にビスケットを渡すあたりは、強烈な印象が残っている。映画では、艦が傾斜し運命を悟るとあっさり伊藤長官は自室に消えてしまいました・・・残念。
でも蒼井優はさすがに上手だった。演技力あるね〜
戦争映画としては、戦闘シーンのディテールがしっかりしていたように思う。ま、もちろん自分も戦場に出たことはないので、それがどこまで真に迫っているかは分からないけれど。機銃にマガジンをセットするシーンなど「なるほどな」と納得。
だからといって、この映画の評価は難しい。というか戦闘シーン以外が嘘っぽく、作りが雑なのだ。あ、ネタばれあるのでご注意下さい。
まずは鈴木京香と仲代達矢の件。そりゃねーだろ的なツッコミどころが満載です。
・あの漁船で枕崎から徳之島沖まで往復すること自体、どだい無理でしょう。
・心臓が停止している場合、もし蘇生したとしても、あんな素早く症状が改善することはないんじゃない?
・夜のシーンで合成丸出し。
・内田(鈴木)さんの生い立ちが無理やり。
・少年が舵を取っていたけど、外洋だから1級船舶免許が必要だよね?君、無免許だよね?
漁船での寸劇はなくてもよかったんじゃないでしょうか?そんなことせんでも、二人を会わせる手段は他にいくらでも考えられる。神尾(仲代)の戦争を終わらせるためとはいえ、あまりにも唐突かつ強引過ぎる。
数え上げればキリがない。確かに本筋からは外れているから、どうでもいいっちゃどうでもいいんだが・・・。戦争映画に無理して人間ドラマを描こうとするとこうなる、という見本みたいなもんだ。
実は大和艦上でもいろいろとおかしな点はある。最たるものは、中村獅堂の無断乗艦。また、主砲で三式弾を斉射する際に、機銃員を避難させなきゃ爆風で飛ばされちゃうんじゃね?
ま、別に省略しても差し支えないと判断したんだろうけどね。
僕が最も納得いかないのが、吉田満著「戦艦大和ノ最期」で詳細な記述が見られ、大和が沖縄に向かう意義を説く重要な役割である臼淵大尉を、こともあろうか長嶋一茂が演じていたことだ。完全なミスキャストだろう。熱く語るでもなく、冷静に諭すでもなく、セリフ棒読み。テレビ局の意向なのかなぁ・・・残念。
僕の予想では、伊藤長官と有賀艦長が羅針盤に自らの身体を縛り付ける、というシーンが入っていると思っていた。兵にビスケットを渡すあたりは、強烈な印象が残っている。映画では、艦が傾斜し運命を悟るとあっさり伊藤長官は自室に消えてしまいました・・・残念。
でも蒼井優はさすがに上手だった。演技力あるね〜
今年最後のDVDもやっぱり荻原浩。観なきゃな、と思いつつ、年末まで引っ張ってしまった。荻原三昧イヤーのラストを飾るべく、いざ!
一言で感想を述べると、「まあまあ」かな。若年性アルツハイマーという重いテーマを夫婦愛も絡ませながら描いていながらも、観ていて安心感すら抱いてしまうのは、原作を読んだ者の視点なのか、あるいは渡辺謙の演技が良かったからか。
正直、渡辺謙の演技力は感服します。妻役の樋口可奈子も良かったと思います。全体を流れる空気も、脇役の演技も観ていて厭味がなかった(彼女は途中で落ちかけていたけど)。
でも、「きれいすぎる」と思ったのは僕だけだろうか?
自分が食事を摂ったのか、排泄をしたのか、そんな記憶すら維持できない状態というのは、もっと修羅場の様相を呈しているのではないか?
家に一人にしておいて大丈夫なのか?
道路標識すら理解できなくなるのに、散歩に出て大丈夫なのか?
ま、原作にもそのような「負の部分」はあまり描写されていなかったから、原作に忠実と言えばその通り。「痴呆」「アルツハイマー」という我々がいつ直面するかもしれないにも関わらず、取り上げられることがなかった題材を扱ったことで、「問題提起」としての一定の目的は達せられたと考えてもいい。ただ実際に介護を行っている人たちからすれば「そんな甘いもんじゃねぇよ」と呟きたくもなるだろう。
及川光博演じる若手医師役も味があって良かった。ひとつ注文をつけるとしたら、診断時だけではなく、何年かの間に医療がどう関わっていったのかも見せて欲しかった。
最後に一言。映画のラストシーンは、意図してあのようにしたのだろうか?原作のラストが僕のイメージでは強烈に焼きついているので・・・
一言で感想を述べると、「まあまあ」かな。若年性アルツハイマーという重いテーマを夫婦愛も絡ませながら描いていながらも、観ていて安心感すら抱いてしまうのは、原作を読んだ者の視点なのか、あるいは渡辺謙の演技が良かったからか。
正直、渡辺謙の演技力は感服します。妻役の樋口可奈子も良かったと思います。全体を流れる空気も、脇役の演技も観ていて厭味がなかった(彼女は途中で落ちかけていたけど)。
でも、「きれいすぎる」と思ったのは僕だけだろうか?
自分が食事を摂ったのか、排泄をしたのか、そんな記憶すら維持できない状態というのは、もっと修羅場の様相を呈しているのではないか?
家に一人にしておいて大丈夫なのか?
道路標識すら理解できなくなるのに、散歩に出て大丈夫なのか?
ま、原作にもそのような「負の部分」はあまり描写されていなかったから、原作に忠実と言えばその通り。「痴呆」「アルツハイマー」という我々がいつ直面するかもしれないにも関わらず、取り上げられることがなかった題材を扱ったことで、「問題提起」としての一定の目的は達せられたと考えてもいい。ただ実際に介護を行っている人たちからすれば「そんな甘いもんじゃねぇよ」と呟きたくもなるだろう。
及川光博演じる若手医師役も味があって良かった。ひとつ注文をつけるとしたら、診断時だけではなく、何年かの間に医療がどう関わっていったのかも見せて欲しかった。
最後に一言。映画のラストシーンは、意図してあのようにしたのだろうか?原作のラストが僕のイメージでは強烈に焼きついているので・・・
テレビで放映されていたのを、1年ぶりに観た。昨年、鹿児島赴任直後でホテル暮らしをしていた台風の夜に、初めてミッテで観た作品。
配役?仙石?え?僕はもっとどんくさい感じを想像していただけに、ちょっとかっこ良過ぎるんじゃねえか?と。
如月?セリフ棒読みじゃね?ま、雰囲気は出てたと思うけど・・・
渥美?佐藤浩市はやり過ぎでしょ?
ヨンファ?中井貴一は良かったっす。
ジョンヒ?行とのテレパシーのやり取りが描ききれていないのが残念でした。もっと冷徹かつ無敵ぶりを発揮して欲しかった。
宮津?くーもーりー、ガーラスの向こうは・・・っていうか、宮津は艦長だったのでは?副長にした必要は?しかもどう見ても海の男とは思えない弱々しさ・・・。ちょっと無理ありと思いました。
ま、そんな細かいことよりも、原作との極めて大きな差異が気になった。それは「アメリカ」というキーワードに集約される。
「GUSOH」の真贋、基地問題、CIAとの駆け引き・・・これら全てがすっ飛ばされている。デリケートな問題なのは理解できるが、あまりにも骨が抜かれ過ぎている。
自衛隊の協力がなければ完成しえない映画だから、あまり当局を刺激したくなかったんだろうねぇ。国のあり方を問う福井作品は、北朝鮮や防衛力の問題だけではなく、アメリカとの関係性も強く語っている。滑稽にも白刃の上で道化を演じる姿、すなわちアメリカの掌で踊る日本、それこそ真の語るべきテーマだったんじゃないかと思うわけです。
映画のいろんな意味での制約(時間、スポンサーなど)を実感させられた作品でした。
配役?仙石?え?僕はもっとどんくさい感じを想像していただけに、ちょっとかっこ良過ぎるんじゃねえか?と。
如月?セリフ棒読みじゃね?ま、雰囲気は出てたと思うけど・・・
渥美?佐藤浩市はやり過ぎでしょ?
ヨンファ?中井貴一は良かったっす。
ジョンヒ?行とのテレパシーのやり取りが描ききれていないのが残念でした。もっと冷徹かつ無敵ぶりを発揮して欲しかった。
宮津?くーもーりー、ガーラスの向こうは・・・っていうか、宮津は艦長だったのでは?副長にした必要は?しかもどう見ても海の男とは思えない弱々しさ・・・。ちょっと無理ありと思いました。
ま、そんな細かいことよりも、原作との極めて大きな差異が気になった。それは「アメリカ」というキーワードに集約される。
「GUSOH」の真贋、基地問題、CIAとの駆け引き・・・これら全てがすっ飛ばされている。デリケートな問題なのは理解できるが、あまりにも骨が抜かれ過ぎている。
自衛隊の協力がなければ完成しえない映画だから、あまり当局を刺激したくなかったんだろうねぇ。国のあり方を問う福井作品は、北朝鮮や防衛力の問題だけではなく、アメリカとの関係性も強く語っている。滑稽にも白刃の上で道化を演じる姿、すなわちアメリカの掌で踊る日本、それこそ真の語るべきテーマだったんじゃないかと思うわけです。
映画のいろんな意味での制約(時間、スポンサーなど)を実感させられた作品でした。
原作は去年読んだ本の中ではBEST3に入ったと思う。青春っていいなぁと30台男が素直に思ったもんね。恩田陸さんが東北出身と聞いて、更に親近感が湧いた。
今回映画化されて、ロードショー公開二日目に観に行った。前評判、レビューなどはあえて耳に入れなかった。純粋に原作の世界に入ってみたくて・・・、と言うか、結構突然行くことになったので見るヒマがなかった。
ネタばれもあるので、まだ観てない方は以下ご注意を。
主人公の女の子は、目がとても印象的。でもそれを「目に力がある」と捉えるか、「ちょっと根が暗い女の子に見える」と感じるかは個人差があると思う。淡々と流れるストーリーで難しい役どころだったのだろうが、原作の貴子をもう少し明るく快活な少女とイメージしていたもので、ちと違うんでないかいと思ってしまいました。
なぜ、西脇融が貴子を忌避してきたのか?その大きな理由には近親憎悪的な感情と、その境遇を痛痒と感じていない貴子への羨望があったのだと思う。それゆえに、ね。貴子にはもっと明るく振舞って欲しかった。
別に粗探ししてたわけじゃないけど、大きく目に付いた点が2つ。一つは北爆のシーン。これは観た方は必ず違和感を感じる場面ではないでしょうか?変なアニメとか、KISSのパクリとかは「なんじゃこりゃ?でも、まぁいっか」的に流してしまってたけど、なぜあそこで実写のB-52の映像を流す必要があったのか?「プラトーン」のオマージュだからってねぇ・・・。どうでしょ。
もう一つはディテールの甘さ。融が足を痛める場面で、背景には並んで談笑しながら歩く女の子の姿が・・・。彼らは結構なペースで飛ばしてきたはずなのに、普通に女の子が「歩いている」ことに不自然さを感じました。ま、気にしなけりゃいいんだけどさ、なんだか日常を映像化したものだからこそ、細部にこだわって欲しかった気がします。
全体的な雰囲気は良かったです。配役も○。特に融役の彼は雰囲気が出てて、ハマってました。みわりん役の子も特徴が出てた。戸田くん役の男の子はエラが張ってるのが気になりましたが・・・
歩いていくにつれ変わりゆく時間と風景、高校3年生という進路や人間関係に揺れ動く微妙な心理描写までは表現しきれなかったかなぁと思うのは、贅沢な要求でしょうかね。
レイトショーで観に行ったら、1日だから映画の日だった・・・。もっと早い時間の回に行っときゃよかった。やっぱり日曜日のレイトショーはキツイわ。
今回映画化されて、ロードショー公開二日目に観に行った。前評判、レビューなどはあえて耳に入れなかった。純粋に原作の世界に入ってみたくて・・・、と言うか、結構突然行くことになったので見るヒマがなかった。
ネタばれもあるので、まだ観てない方は以下ご注意を。
主人公の女の子は、目がとても印象的。でもそれを「目に力がある」と捉えるか、「ちょっと根が暗い女の子に見える」と感じるかは個人差があると思う。淡々と流れるストーリーで難しい役どころだったのだろうが、原作の貴子をもう少し明るく快活な少女とイメージしていたもので、ちと違うんでないかいと思ってしまいました。
なぜ、西脇融が貴子を忌避してきたのか?その大きな理由には近親憎悪的な感情と、その境遇を痛痒と感じていない貴子への羨望があったのだと思う。それゆえに、ね。貴子にはもっと明るく振舞って欲しかった。
別に粗探ししてたわけじゃないけど、大きく目に付いた点が2つ。一つは北爆のシーン。これは観た方は必ず違和感を感じる場面ではないでしょうか?変なアニメとか、KISSのパクリとかは「なんじゃこりゃ?でも、まぁいっか」的に流してしまってたけど、なぜあそこで実写のB-52の映像を流す必要があったのか?「プラトーン」のオマージュだからってねぇ・・・。どうでしょ。
もう一つはディテールの甘さ。融が足を痛める場面で、背景には並んで談笑しながら歩く女の子の姿が・・・。彼らは結構なペースで飛ばしてきたはずなのに、普通に女の子が「歩いている」ことに不自然さを感じました。ま、気にしなけりゃいいんだけどさ、なんだか日常を映像化したものだからこそ、細部にこだわって欲しかった気がします。
全体的な雰囲気は良かったです。配役も○。特に融役の彼は雰囲気が出てて、ハマってました。みわりん役の子も特徴が出てた。戸田くん役の男の子はエラが張ってるのが気になりましたが・・・
歩いていくにつれ変わりゆく時間と風景、高校3年生という進路や人間関係に揺れ動く微妙な心理描写までは表現しきれなかったかなぁと思うのは、贅沢な要求でしょうかね。
レイトショーで観に行ったら、1日だから映画の日だった・・・。もっと早い時間の回に行っときゃよかった。やっぱり日曜日のレイトショーはキツイわ。
特に観たいと思っていたわけではないけど、成り行きで観てきました。大型客船が沈没するという、タイタニック的パニック映画。「ポセイドン・アドベンチャー」のリメイクだそうなので、もしかしたらタイタニックの方がパクリなのかもしれない。
旧作を観ていないため、ほとんど思い入れがなかったことが幸いしたのか、感想は「ま、いいんじゃない」。旧作を視聴している連れは不満たらたらでしたが。
タイタニックとアルマゲドンをごちゃ混ぜにした印象が残った。簡単に人が死にすぎること、ストーリーが見透かせること、あまり危機感・緊張感を感じさせないこと、アルマゲドン的自己犠牲が鼻についたこと・・・
あ、結構文句垂れてるな、俺。
「おいおい、そりゃねーだろ」というツッコミは、映画に対しては無力だけどさ、ハリウッド映画にありがちな「CG駆使した、アメリカ人好みの冒険活劇+ちょっと人間愛」て感じ。それ以上でも、それ以下でもありません。ま、そういうもんなのね、と達観すればそれなりに楽しいかな。
レイトショー終了後、飲みに行って焼酎の海にあっさり沈没。翌日まで浮上せず・・・
映画よりも自分の方がよっぽど問題だよ・・・
旧作を観ていないため、ほとんど思い入れがなかったことが幸いしたのか、感想は「ま、いいんじゃない」。旧作を視聴している連れは不満たらたらでしたが。
タイタニックとアルマゲドンをごちゃ混ぜにした印象が残った。簡単に人が死にすぎること、ストーリーが見透かせること、あまり危機感・緊張感を感じさせないこと、アルマゲドン的自己犠牲が鼻についたこと・・・
あ、結構文句垂れてるな、俺。
「おいおい、そりゃねーだろ」というツッコミは、映画に対しては無力だけどさ、ハリウッド映画にありがちな「CG駆使した、アメリカ人好みの冒険活劇+ちょっと人間愛」て感じ。それ以上でも、それ以下でもありません。ま、そういうもんなのね、と達観すればそれなりに楽しいかな。
レイトショー終了後、飲みに行って焼酎の海にあっさり沈没。翌日まで浮上せず・・・
映画よりも自分の方がよっぽど問題だよ・・・
原作を少し前に読んでいた。
僕が手にしたのではなくて、ただ彼女に薦められたから読んだだけだ。おもしろい、おもしろくないという批評よりも、「ずるいなぁ」というのが率直な感想だった。断っておくが、ストーリーは一気に読ませる勢いがあるし、文章も上手(テクニックに走るきらいがあるが)。決して嫌な後味ではない。
この類の小説は、生きることの重要性とか人生そのものを描写するために、「死」を用いることが多い。確かに涙は誘うが「でも、それってどうなの?」という根底の疑問が解けない。フィクションでしか描けない現実は、決してリアルには響かないんじゃないかなと。
こんなことを彼女に言うと「いいじゃない、小説なんだから」と一蹴されるに決まっている。
ま、楽しめりゃいいんだし、主人公や登場人物への感情移入という点を考えると、あまりリアル過ぎるのも考えものだ。
でも映画ともなると、想像力以上に視覚や聴覚から情報が流れ込むため、あまり深い意味を考えることなく流される。原作を読んだ作品は特にそうだ。話題作に関して原作を先に読むか、映画が先かは未だ自分の中の解答は得られていない。
DVDで「四日間の奇蹟」を借りてきて、彼女と一緒に観た。大筋では原作に忠実な映画だったと思う。主演の吉岡秀隆は、ちょっと僕の想像していた如月とは違っていたが(もっと影がある孤高の天才タイプを思い描いていた)、石田ゆり子や中越典子はイメージとほぼ合致。ディテールの違う部分(施設の設定、事故の経緯、西田敏行など)は、2時間という制約を考えれば妥当な範囲でしょう。
クラシックは詳しくないのでピアノの曲名が分からなかったのが残念。クライマックスに礼拝堂で演奏した曲は「月光」なのかなぁ。あれがそうだとしたら、原作のイメージと最も相違したシーンかもしれない。
でも静かないい映画だったと思います。彼女はラスト寝ちゃってたけど。僕はちゃんと起きてましたし、素直にちょっと涙も流しました。まだ純粋な32歳11ヶ月。
なーんて、歳を取ると涙脆くなるってヤツかな?
僕が手にしたのではなくて、ただ彼女に薦められたから読んだだけだ。おもしろい、おもしろくないという批評よりも、「ずるいなぁ」というのが率直な感想だった。断っておくが、ストーリーは一気に読ませる勢いがあるし、文章も上手(テクニックに走るきらいがあるが)。決して嫌な後味ではない。
この類の小説は、生きることの重要性とか人生そのものを描写するために、「死」を用いることが多い。確かに涙は誘うが「でも、それってどうなの?」という根底の疑問が解けない。フィクションでしか描けない現実は、決してリアルには響かないんじゃないかなと。
こんなことを彼女に言うと「いいじゃない、小説なんだから」と一蹴されるに決まっている。
ま、楽しめりゃいいんだし、主人公や登場人物への感情移入という点を考えると、あまりリアル過ぎるのも考えものだ。
でも映画ともなると、想像力以上に視覚や聴覚から情報が流れ込むため、あまり深い意味を考えることなく流される。原作を読んだ作品は特にそうだ。話題作に関して原作を先に読むか、映画が先かは未だ自分の中の解答は得られていない。
DVDで「四日間の奇蹟」を借りてきて、彼女と一緒に観た。大筋では原作に忠実な映画だったと思う。主演の吉岡秀隆は、ちょっと僕の想像していた如月とは違っていたが(もっと影がある孤高の天才タイプを思い描いていた)、石田ゆり子や中越典子はイメージとほぼ合致。ディテールの違う部分(施設の設定、事故の経緯、西田敏行など)は、2時間という制約を考えれば妥当な範囲でしょう。
クラシックは詳しくないのでピアノの曲名が分からなかったのが残念。クライマックスに礼拝堂で演奏した曲は「月光」なのかなぁ。あれがそうだとしたら、原作のイメージと最も相違したシーンかもしれない。
でも静かないい映画だったと思います。彼女はラスト寝ちゃってたけど。僕はちゃんと起きてましたし、素直にちょっと涙も流しました。まだ純粋な32歳11ヶ月。
なーんて、歳を取ると涙脆くなるってヤツかな?
観てきました。観てきてしまったと言うべきか。
断っておきますが、僕は福井ファンです、一応。
内容はどうだったかって?
ま、まぁ予想通りというか、なんというか。
「ローレライ」以上にツッコミどころ満載で、更に福井ワールド爆発って感じでした。
突っ込んでもしょうがない、と思いつつ・・・
・富士山は現在の静岡県→戦国時代では駿河。今川家あるいは北条家の支配地域であって、仮に山梨県側から眺めているのであれば武田だろうから、織田だの斎藤がここまでやってくるわけがない。
・鉄砲伝来と映画の時代設定が直近であるのに、あんなに揃ってるわけがない。
・バズーカ1発で戦車が撃破できるわけがない。
・原油はどこから持ってきたんだろう?
・弾薬はどうしたんだろう?
間違いなく10個や20個じゃききません。少年の正体も早いうちからピンときたし、強引なストーリー展開や生き方を熱く語る「福井節」には、つい苦笑も漏れてしまいましたし。
だがしかし。
結局、観に行ってる時点で僕の負けです。夏はきっと「亡国のイージス」を観て、また文句をたれているんだろう。
「戦国自衛隊」は完全なSF、つまりおとぎ話なので、僕もリアリティを追及する愚は犯すまいと思っているが、「イージス」は設定が現代だけに不安が残る。リアリティがないと、話として陳腐で薄っぺらいものになりそうなので。
ま、それより男2人でレイトショーに行く32歳の方を問題視すべきですな。
断っておきますが、僕は福井ファンです、一応。
内容はどうだったかって?
ま、まぁ予想通りというか、なんというか。
「ローレライ」以上にツッコミどころ満載で、更に福井ワールド爆発って感じでした。
突っ込んでもしょうがない、と思いつつ・・・
・富士山は現在の静岡県→戦国時代では駿河。今川家あるいは北条家の支配地域であって、仮に山梨県側から眺めているのであれば武田だろうから、織田だの斎藤がここまでやってくるわけがない。
・鉄砲伝来と映画の時代設定が直近であるのに、あんなに揃ってるわけがない。
・バズーカ1発で戦車が撃破できるわけがない。
・原油はどこから持ってきたんだろう?
・弾薬はどうしたんだろう?
間違いなく10個や20個じゃききません。少年の正体も早いうちからピンときたし、強引なストーリー展開や生き方を熱く語る「福井節」には、つい苦笑も漏れてしまいましたし。
だがしかし。
結局、観に行ってる時点で僕の負けです。夏はきっと「亡国のイージス」を観て、また文句をたれているんだろう。
「戦国自衛隊」は完全なSF、つまりおとぎ話なので、僕もリアリティを追及する愚は犯すまいと思っているが、「イージス」は設定が現代だけに不安が残る。リアリティがないと、話として陳腐で薄っぺらいものになりそうなので。
ま、それより男2人でレイトショーに行く32歳の方を問題視すべきですな。
観てきました。
様々なインプレで酷評されていたこともあって、あまり期待をせずに行ったのがよかったのか、感想は「まぁ、いいんじゃない」ってとこです。
でもレイトショーに男2人で行くもんじゃねぇな、というのが一番の教訓です。
突っ込むところを数え上げれば10や20じゃきかないけれど、オリジナルストーリーとして考えて「これはSFなんだ、ノンフィクションじゃないんだ」と無理にでも自分に言い聞かせることによって、意外と楽しむことができます。
水密服のパウラは語るに及ばず、折笠(妻夫木)の衣装は変です。
いくら終戦直前で規律が乱れていたとしても、皆さんの言葉遣いは変です。
いくら離陸直後だろうが、潜水艦に備え付けの砲で飛行機を落とせるわけがありません。
ま、詮無きことです。映画ですから。
原作と比較して、不満だったのは何故そのような行動を起こしたのか、という動機付けが十分語られていなかったこと。「国家としての切腹を断行する」と言った朝倉(堤)も、ローレライを捕獲しようとする米軍も、パウラを守ろうとする折笠も。結局、地獄の南方戦線やいずれ訪れるであろう冷戦を見据えた駆け引きも、広島の原爆で散華したおケイさんも省略されてしまったため、「ローレライという人間兵器を用いた戦争青春映画」にしか成りえなかった感が強い。
もちろん2時間半程度の時間的制約があるし、原作がハードカバー2冊という大作であるだけに、全てを織り込むのは不可能でしょう。でもなんか絹見艦長(役所)ばかりが目立つ、中年の渋みプラス哀愁映画ですよ、こりゃ。福井作品のテーマのひとつに「少年の成長にこれからの日本の姿を投影する」があると感じている僕としては、物足りない気がする。ま、福井テーマには「さえない中年が自分を見つめ直す」という命題もあるので無理もないけれども。
フルCGの戦闘シーンははっきり言って「ちゃち」です。でもいいんじゃないでしょうか。僕はとても寛容な気分になりました。全てを許します。パウラ(香椎)がかわいいから。あーゆう気の強そうな女の子は好きですわ。
おおフジテレビよ。潜水艦映画を作っている間に、時間外取引といういわば「モグリ」の手法でニッポン放送を買収されたフジテレビよ。
「タスマニア物語」よりはGood!!
様々なインプレで酷評されていたこともあって、あまり期待をせずに行ったのがよかったのか、感想は「まぁ、いいんじゃない」ってとこです。
でもレイトショーに男2人で行くもんじゃねぇな、というのが一番の教訓です。
突っ込むところを数え上げれば10や20じゃきかないけれど、オリジナルストーリーとして考えて「これはSFなんだ、ノンフィクションじゃないんだ」と無理にでも自分に言い聞かせることによって、意外と楽しむことができます。
水密服のパウラは語るに及ばず、折笠(妻夫木)の衣装は変です。
いくら終戦直前で規律が乱れていたとしても、皆さんの言葉遣いは変です。
いくら離陸直後だろうが、潜水艦に備え付けの砲で飛行機を落とせるわけがありません。
ま、詮無きことです。映画ですから。
原作と比較して、不満だったのは何故そのような行動を起こしたのか、という動機付けが十分語られていなかったこと。「国家としての切腹を断行する」と言った朝倉(堤)も、ローレライを捕獲しようとする米軍も、パウラを守ろうとする折笠も。結局、地獄の南方戦線やいずれ訪れるであろう冷戦を見据えた駆け引きも、広島の原爆で散華したおケイさんも省略されてしまったため、「ローレライという人間兵器を用いた戦争青春映画」にしか成りえなかった感が強い。
もちろん2時間半程度の時間的制約があるし、原作がハードカバー2冊という大作であるだけに、全てを織り込むのは不可能でしょう。でもなんか絹見艦長(役所)ばかりが目立つ、中年の渋みプラス哀愁映画ですよ、こりゃ。福井作品のテーマのひとつに「少年の成長にこれからの日本の姿を投影する」があると感じている僕としては、物足りない気がする。ま、福井テーマには「さえない中年が自分を見つめ直す」という命題もあるので無理もないけれども。
フルCGの戦闘シーンははっきり言って「ちゃち」です。でもいいんじゃないでしょうか。僕はとても寛容な気分になりました。全てを許します。パウラ(香椎)がかわいいから。あーゆう気の強そうな女の子は好きですわ。
おおフジテレビよ。潜水艦映画を作っている間に、時間外取引といういわば「モグリ」の手法でニッポン放送を買収されたフジテレビよ。
「タスマニア物語」よりはGood!!