激痩せ

最近、会う人会う人に
「なんか痩せたね〜。ていうかげっそりしてる」
と言われる。多いときは一日10回以上だから、相当見た目が変化したのだろう。しかし別に意識してダイエットをしている訳ではない。テニスをルーチンにやるようになったことと山歩きをするようになったくらいのものだ。

大学時代、テニスコーチをしていた頃は63kgが普通だった。高校の時は50kg台で、自分は食べても太らない体質だと勝手に信じ込んでいた。確かに片道10kmのアップダウンの激しい道を自転車で駆け抜け、部活でテニスをする前に校庭20週、なんて生活が続いていれば、いくら大食しても余分な脂肪が付くことはなかったのだろう。

それが間違いだと知ったのは、大学4年次に就職活動を始めた頃だ。その年の身体測定で（中華料理食べ放題に行った後というハンデがあったものの）自己最高の69kgをマーク。当然就職活動によってレッスン数が減り、徐々にそれが普通になっていった。

入社して75kg。営業所配属になって先輩と賭けダイエットをして72kgまで落とすも、不規則な生活や運動不足によってつい1年前まで80kgの大台に届くかどうかという体たらくだった。確かに池中玄太80kgと比較すると身長があるからいいんじゃない、とよく慰められたが、179cmの標準体重は70kg前後であり、毎年の健康診断で、
「他に問題はないけど、もうちょっと体重を落としたほうがいいわね」
と看護師さんに言われ続けていた。

それが今は67、8kgなのだ。テニスや登山の後の温泉などで、意識して体重計に載るようになって3ヶ月程度で6kg以上痩せた計算になる。「体重計で毎日測定して記録をつける」というダイエット法があるらしいが、確かに意識をして減っていく体重計の目盛りを見るのは一種快感でもある。

Tシャツを買いに行ったときのこと。今までは迷わずLサイズを手に取っていたが、Mでもよさそうな気がした。その時の店員の一言は僕を心底喜ばせるもの、というか自分自身驚いた。

「お客様はお見かけした様子、細身ですので十分Mで大丈夫だと思いますよ」

おぉ、細身！前にそんなことを言われたのは何時だっただろう。思い出せないくらい昔のことなのだ。改めて自分が変わったこと（見た目だけだが）を実感した。
TシャツはMサイズを買ったのは言うまでもない。しかも2枚も。自分の単純さに可愛らしさすら感じてしまう。

筋肉が落ちていっているだけかもしれない。あるいは病気の可能性もある。僕はどうなってしまうのだろうかと、最近は不安に思ったりもしているのだ。願わくば、なにもなく普通に痩せていっただけ、という状況を期待している。