騎馬民族が草原を駆け抜ける。そんな軽快でありながら迫力を有したリズム。何万騎という軍勢が一同に会するかのようなラストに向かって、次第にクレッシェンドしていくオーケストラ。「ダッタン人の踊り」はその美しい旋律からソプラノの曲だと思われがちだが(そしてクラシックのオムニバスCDではソプラノ部分で終了してしまうものも多い)、疾走感が溢れ迫力に満ちた合唱部分の最後は、やはりこの曲の醍醐味であろう。
「カルミナ・ブラーナ」もいい。確かに。でも自分が歌ったことのある曲はやはり思い入れが違う。僕らが「ダッタン人」を歌った年の客演指揮者はちょっと変わっていて、自身そのノリに酔って、指揮台の上で飛び跳ねてしまうような人だった。今も元気かな?
今日はオケに知り合いがいたため聴きに行った演奏会であったが、やっぱり合唱を聴いてしまう。団構成員の年齢の高さが気になった。「また歌いたいなぁ」というのが正直な感想だが、「きっとあの中じゃ浮いちゃうだろうな」というのも正直な予想。あんな上品には歌えない。ベルカントはもっと暴力的ですらある。
男声の人数が少なかったのがもったいなかった。しょうがないかもしれないけど、オケに押されちゃダメだよ。テノールもバスも。人数が揃っていた女声もソロを除くと、全体的に軽い印象。突き抜けるような、それでいて爆発するような、そんな声が聴きたかった。あの年齢層で期待するのは酷かもしれないけど、そういう曲なんだから。
僕らのボイストレーナーはきっとこう言うだろう。
「ヤギに乗ってんじゃねぇんだ。お前たちは馬に跨って凱旋した兵士なんだ。胸を張って、誇りを持って、走れ!そして歌え!」
春になりかけの仙台で、そんな10年以上前の東京文化会館での己の姿を思い浮かべた。オケもなく、ピアノ伴奏だけでの「ダッタン人」だったけれど、そのピアノの弦が切れるくらいに僕らは駆け抜けた(実際切れた)。少なくとも草原の風を確かに感じたのだ。
「思い出は美しい」っていう類かな?たかが学生の演奏を美化し過ぎかもしれない。そう思いつつ騎馬をバイクに乗り換えて、僕は何年か振りに口ずさむ。ロシア語はすんなりと言葉になった。
ブリャスカイ、チェッシェ、ハナ、チャーギ!
メットの隙間を抜ける風が心地よかった。
「カルミナ・ブラーナ」もいい。確かに。でも自分が歌ったことのある曲はやはり思い入れが違う。僕らが「ダッタン人」を歌った年の客演指揮者はちょっと変わっていて、自身そのノリに酔って、指揮台の上で飛び跳ねてしまうような人だった。今も元気かな?
今日はオケに知り合いがいたため聴きに行った演奏会であったが、やっぱり合唱を聴いてしまう。団構成員の年齢の高さが気になった。「また歌いたいなぁ」というのが正直な感想だが、「きっとあの中じゃ浮いちゃうだろうな」というのも正直な予想。あんな上品には歌えない。ベルカントはもっと暴力的ですらある。
男声の人数が少なかったのがもったいなかった。しょうがないかもしれないけど、オケに押されちゃダメだよ。テノールもバスも。人数が揃っていた女声もソロを除くと、全体的に軽い印象。突き抜けるような、それでいて爆発するような、そんな声が聴きたかった。あの年齢層で期待するのは酷かもしれないけど、そういう曲なんだから。
僕らのボイストレーナーはきっとこう言うだろう。
「ヤギに乗ってんじゃねぇんだ。お前たちは馬に跨って凱旋した兵士なんだ。胸を張って、誇りを持って、走れ!そして歌え!」
春になりかけの仙台で、そんな10年以上前の東京文化会館での己の姿を思い浮かべた。オケもなく、ピアノ伴奏だけでの「ダッタン人」だったけれど、そのピアノの弦が切れるくらいに僕らは駆け抜けた(実際切れた)。少なくとも草原の風を確かに感じたのだ。
「思い出は美しい」っていう類かな?たかが学生の演奏を美化し過ぎかもしれない。そう思いつつ騎馬をバイクに乗り換えて、僕は何年か振りに口ずさむ。ロシア語はすんなりと言葉になった。
ブリャスカイ、チェッシェ、ハナ、チャーギ!
メットの隙間を抜ける風が心地よかった。
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