東京府中不思議草子
2006年3月18日東京に出てきたついでに、府中に住んでいる姉を訪ねてみた。子供が産まれて現在育児真っ最中。まだダンナさんにも会ったことがないし、甥っ子の顔を見るのも初めてだ。何年かぶりに行く姉のマンションまでの道も覚束なかったけれど、記憶を辿りながらなんとか到着した。バブル期に建てられたマンションは、幾分年輪を感じさせた。
甥っ子は起きていて、僕の顔を不思議そうに眺めていた。抱っこすると不安そうに姉を見つめ、今にも泣き出しそうになる。横に抱いていたのを多少頭を起こすようにすると、少し治まった。次第に慣れてくると、笑ってくれるようにもなった。なんだか嬉しいもんだ。
ダンナさんは寝ていた。仕事がきついのかな。感じは悪くなかったけど、姉が選んだ人としてはちょっと意外。母からはあまりいい話を聞いてなかったので、その辺の先入観が働いたのかもしれない。ダンナさんにとって僕も意外だったようで「イメージと違った」そうだ。姉はどんな風に僕のことを話していたんだろ。
昼食をご馳走になって、甥っ子に別れを告げた。飛行機の時間までたっぷりとあったので、特急が停まる府中駅まで一駅分歩いてみることにした。甲州街道からひとつ中に入った通りは、住宅街の静けさに包まれている。梅の花が咲いている。
この裏通りが不思議ワールドの始まりだった。
まず最初に驚いたのが「宮本武蔵 後援会」の赤い看板。市議か都議だろうが、宮本武蔵は反則じゃないのかね。知名度は充分すぎる。まぁよく考えたら、青森では「羽柴秀吉」さんも衆院選に立ってるもんね。しかし名前さえ知られていたら当選するってもんでもないだろう。
続いて目に飛び込んできたのが「ホルモン大学」。受験勉強をしなくても入れそうだ。ちょっと汚れた焼肉屋らしい焼肉屋だったが、まだ午後2時前。開いてなかったので、中を窺い知ることはできず。ま、中を覗いたからといって、どうするってわけじゃないけど。
府中不思議ワールドはまだ続く。公園への案内看板があった。「美好町水遊び広場まで174m」。ここまで詳しい情報提供を誰も望んじゃいないだろう。きっと市役所にとても几帳面な人がいるんだろう。
ちょっと歩いた先のスナックの入り口に、張り紙がしてあった。
「運送屋さんへ 詳細は隣のタバコ屋さんに聞いて下さい」
いろいろ想像力を駆り立ててくれる文句だ。夜逃げか?でも張り紙して夜逃げするか?とか考えた。ただどうしてもあまりよろしくない方向に思考が傾きかかるので、このお店の人の無事を祈りながら歩を進めた。
府中駅前に銅像が建っていた。源義家だそうだが、なぜここに建っているのかはわからない。説明書きもあったものの、よく読まずに通り過ぎてしまったもので。ただ印象的だったのはその顔。まるでアニメに出てくるキャラクターのように精悍で目鼻立ちが整っている。平安時代の人物を銅像にしてもなぁ、資料も残ってないだろうし。あ、余計な心配ですな。
確実に春が間近まで迫っている府中の街。FC東京を応援する商店街を抜けて京王線に乗って意外な不思議ワールドを後にした。まあ新宿なんかに比べれば、かわいいもんなんだろうけど。
すっかり「上京」という言葉が板に付いた東京出身の僕は、昨今ウワサのスカイマークで鹿児島に帰ったのでした。
甥っ子は起きていて、僕の顔を不思議そうに眺めていた。抱っこすると不安そうに姉を見つめ、今にも泣き出しそうになる。横に抱いていたのを多少頭を起こすようにすると、少し治まった。次第に慣れてくると、笑ってくれるようにもなった。なんだか嬉しいもんだ。
ダンナさんは寝ていた。仕事がきついのかな。感じは悪くなかったけど、姉が選んだ人としてはちょっと意外。母からはあまりいい話を聞いてなかったので、その辺の先入観が働いたのかもしれない。ダンナさんにとって僕も意外だったようで「イメージと違った」そうだ。姉はどんな風に僕のことを話していたんだろ。
昼食をご馳走になって、甥っ子に別れを告げた。飛行機の時間までたっぷりとあったので、特急が停まる府中駅まで一駅分歩いてみることにした。甲州街道からひとつ中に入った通りは、住宅街の静けさに包まれている。梅の花が咲いている。
この裏通りが不思議ワールドの始まりだった。
まず最初に驚いたのが「宮本武蔵 後援会」の赤い看板。市議か都議だろうが、宮本武蔵は反則じゃないのかね。知名度は充分すぎる。まぁよく考えたら、青森では「羽柴秀吉」さんも衆院選に立ってるもんね。しかし名前さえ知られていたら当選するってもんでもないだろう。
続いて目に飛び込んできたのが「ホルモン大学」。受験勉強をしなくても入れそうだ。ちょっと汚れた焼肉屋らしい焼肉屋だったが、まだ午後2時前。開いてなかったので、中を窺い知ることはできず。ま、中を覗いたからといって、どうするってわけじゃないけど。
府中不思議ワールドはまだ続く。公園への案内看板があった。「美好町水遊び広場まで174m」。ここまで詳しい情報提供を誰も望んじゃいないだろう。きっと市役所にとても几帳面な人がいるんだろう。
ちょっと歩いた先のスナックの入り口に、張り紙がしてあった。
「運送屋さんへ 詳細は隣のタバコ屋さんに聞いて下さい」
いろいろ想像力を駆り立ててくれる文句だ。夜逃げか?でも張り紙して夜逃げするか?とか考えた。ただどうしてもあまりよろしくない方向に思考が傾きかかるので、このお店の人の無事を祈りながら歩を進めた。
府中駅前に銅像が建っていた。源義家だそうだが、なぜここに建っているのかはわからない。説明書きもあったものの、よく読まずに通り過ぎてしまったもので。ただ印象的だったのはその顔。まるでアニメに出てくるキャラクターのように精悍で目鼻立ちが整っている。平安時代の人物を銅像にしてもなぁ、資料も残ってないだろうし。あ、余計な心配ですな。
確実に春が間近まで迫っている府中の街。FC東京を応援する商店街を抜けて京王線に乗って意外な不思議ワールドを後にした。まあ新宿なんかに比べれば、かわいいもんなんだろうけど。
すっかり「上京」という言葉が板に付いた東京出身の僕は、昨今ウワサのスカイマークで鹿児島に帰ったのでした。
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