ツーリング初日。別府温泉近くの志高湖キャンプ場に泊まる。途中に見えた夕暮れの由布岳が美しい。

設営後、ご近所さんと一杯やることになった。ブラックバードでツーリング中のお隣さんは、八幡浜で九州行きのフェリーがあったので「つい乗っちゃった」そうだ。当然、九州の宿泊場所も知らず、別府到着後に慌てて地図を買ったらしい。無計画もいいとこだ。

ちょっと奥のテントの人はCBRに乗っている。神社マニアだそうで、出雲から宇佐神宮に寄った後だとのこと。「高速代がもったいないから」といいながら、燃費が悪いスーパースポーツで地道を走ってきたそうだ。滋賀から九州までずっと下道を走ってきたらしい。お疲れ様です、としか言いようがない。

お土産に持ってきた焼酎「小さな蔵」を開けて、寒くなってきた夜空の下で語る。周りから見れば、一人でテントを積んでバイクで走って何が楽しいんだ?と思われるだろう。確かにそうだ。時々嫌になるし、うんざりする瞬間もある。

でも一人旅でしか得られないものもある。例えば、こんな交流もそうだ。名前も知らない人たちと、ただバイクで旅をしているという共通点だけで語り合える。

二日目、高知で会った125CCのバイク(つまり高速に乗れない)で飄々と旅をする札幌の若者も、三日目に香川のキャンプ場で本格料理を作っておすそ分けしてくれたW650の人も、みんなそうだ。よほどの偶然が重ならない限り、二度と会うことはないだろう。でもこんな一期一会が普段の生活では味わえない、貴重な時間なのだ。

燃費の悪いバイクに乗りながら、高速代をケチる。矛盾しているようだが、そのアンバランスさがバイク乗りの味なのかもしれない。なにせバイクは元来二輪で走る行為そのものがアンバランスなんだから。

しかし古来より人間は、アンバランスなもの、不安定なものに惹かれる生き物なのだ。腕のないミロのヴィーナス、首のないサモトラケのニケ、芸術作品はなぜかアンバランスだ。付き合う男性が皆ダメ男、なんて女性も、不安定さに魅力を感じるているからかもしれない。あとは童顔なのに巨乳、てのもアンバランスな魅力かな。

え、違う?

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索