潮の道へ

2006年5月15日 ツーリング
正直、侮っていました。徳島の渦潮。

鳴門公園を目指し、バイクを走らせていた。特に思い入れがあったわけではない。徳島出身の人に「徳島の観光地?う〜ん、渦潮くらいかなぁ」と言われたのを受けて、四国一周の途中で立寄る場所のひとつに選んだだけなのだ。

R28に入って小鳴門橋を渡る頃から、車の量が圧倒的に増えてきた。途中のガソリンスタンドでは「4時50分中潮」の文字が。そうか、図らずも渦潮見物の絶好の時間帯だったのだ。しかし鳴門公園から眺めるだけかと思っていたので、この混雑は予想外だった。観潮船なるものも沖に何艘も浮かんでいる。ちょっと気持ちが逸る。

鳴門公園は丘の上にあって、その登り口では「駐車場は満車」と非情な通告をする係員が駐車場とは反対の方向へ誘導している。「バイクもダメですか」と訊くと、上に行ってみなければ分からないとのこと。いいかげんだなぁと思いつつ、その場を通してもらって、がらがらの道を登っていくことができた。バイクならでは芸当、そして恩恵。

幸い駐車場は拍子抜けするくらいに空いていて、あっさり入ることができた。しかし確かに一斉に車が入ってくることは難しいだろう。係りの人にどこから渦潮が見られるのかを尋ねると、「潮の道」なるスポットがあるそうだ。

指示された方へ歩いていくと、大鳴門橋を眼下に歩道橋を渡り、少し下ったところに入り口があった。すごい人だ。入場料は500円で、渦潮見るためだけにもったいない気もしたが、ここまで来て見ないで帰る方がもったいない。

潮の道は大鳴門橋の真下に作られた歩行者用通路で、ところどころがガラス張りになっており、渦潮の様子が真上から鑑賞できる仕組み。50mくらいの高さはあるだろうか。なかなかの迫力です。

強烈な横風が吹き抜ける中、僕は「渦潮」を探してガラスを覗き込んだ。しかし、典型的な渦潮(それこそナルトみたいな)はなかなかお目にかかれない。あ、できるかな?と思ってしばらく見ていても、波がぶつかってせめぎ合っている様子にしか映らない。お風呂の栓を抜いたときのグルグルを想像していただけに、ちょっと期待外れではあったけれど、案外僕の「渦潮」の定義自体が間違っていたのかもしれない。あれも立派な渦潮だったのかな。

再び大鳴門橋を跨ぐ歩道橋を駐車場に向かって歩く。こんな場所にこんな橋を造る人間の想像力と実行力に半ば感心、半ば呆れる。一筋に淡路島に向かう橋の上では、バイクが風を受けて走っている。君の足元には、たくさんの人がガラスに張り付いて渦潮見物してるんだよ。

ちょっとおかしくなった。

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