美しい苔、美しい森。確かにそこは素晴らしい。屋久島白谷雲水峡。もののけ姫の森と称される、映画のモデルにもなった森だ。

だけど、なんとなく違和感を感じたのはなぜだろう。景色として、「もののけ姫」の舞台としての森は美しく、胸を打つ。鮮やかな緑、静かで薄暗い空気、壮大な時間が奏でる輪廻。なんとなくでき過ぎているのだ。

そこに準備された「ミニ屋久島」。そんな気がした。少し前までは「もののけ姫の森」というネーミングもされていなかったそうだ。世界遺産ともののけ姫のコラボレーション。
あぁ、素晴らしいじゃないですか。

「ここはもののけ姫の森ですよ」
若くてかわいいガイドさんが説明してくれた。確かに宮崎駿が発したメッセージを感受性が低い僕は察しようもないのだけれど、彼は自分のアニメが観光の一助になることを果たして望んでいたのだろうかと思う。
もっと大事なことを伝えたかったんじゃないか。

森は人間の干渉を受けない。だけど人間はむやみやたらと口を挟む。自分の名を冠した森に、もののけ姫が姿を見せることは恐らくない。

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