胡蝶の夢

2006年10月14日
夢を見るのは自由だし、そこで現実を忘れて蝶となり、優雅に大空を楽しむのも勝手だ。ただ夢ではなくて、本当に現実と夢の区別が付かなくなることもありうる。
医学用語で統合失調症と呼ぶ。

正確な定義は違うかもしれない。ただ初期症状として現れる「幻聴」「被害妄想」「脈絡のない言動」などが当てはまるような友人がいる。

どうすればいいんだろう。僕はその人に精神科なり、心療内科への受診を勧めるべきなのだろうか?おそらく本人は病気を自覚していない。幻聴は実際に耳に届いているのだから、その人にとっては現実なのだ。自分が置かれている立場、すなわち嫌がらせを受けているとか、自分の悪口を言われているだとかの状況は、僕が見る限りでは被害妄想以外の何物でもない。

荘子の「胡蝶の夢」の故事は、人生の儚さを例えて用いられる。夢で遊ぶ蝶が自分なのか、今こうしてキーボードを叩いているのが自分なのか。その区別は簡単なようで難しい。何を信じるのか、何を求めるのか?人間の存在とは?

僕はまだ迷っている。その人が立ち直ってくれることを切に願うし、陽性症状のうちに治療してくれることを希望する。でも、どうやってその状況まで持っていくか。確かに僕が全てを負わなければいけない問題ではないのだけれど、「知ってしまった」以上、もしも何か事が起きたときに後悔することになるかもしれないのだ。無関心で済む問題じゃない。

自分自身が整理が付かない命題に対し、はからずも関与することになった。だって、自分が正常だって誰が証明してくれるんだ?あなたはおかしいです、病気ですって他人から言われて、誰が信用するんだ?

そんなこんなで、結局しばらく様子を見るという結論を出した。最も発展性がない解答だけど、僕が今できる全てなのかもしれない。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索