今年は荻原浩に終始した一年と言ってもいいだろう。そのトリを飾ったのが、この「誘拐ラプソディー」だった。

今まで読んだ作品の中で、破天荒さはNo.1。「ありえないでしょ、それ」ていうのは荻原作品ではよくあるツッコミだが、その最たるものがこの小説かもしれない。まさに「ありえない」のオンパレードだ。

やくざ、警察、チャイニーズマフィア・・・そんなのに追われて無事で済むわきゃないわな。あえて、そこをコミカルに描く手法はとても楽しめるし、ツッコミを甘受しつつ受け流すテクニックは秀逸と言える。基本的にエンターテイナーなのだろう。

そう考えると「明日の記憶」が稀有な作品と言えるのかもしれない。あの夕焼けのラストシーンは、かなりのインパクトを持って僕の中に存在している。ラーメンに例えると、とんこつベースでありながら、あっさり塩味も美味。てな感じかな。

・・・あんまりいい例えではありませんでした。申し訳ございません。

ストーリーに関して論評するのは、ネタばれの危険性大なので(ま、単純な物語であるので)触れませんが、コメディとしては相当楽しめる作品であることは保証できます。

あくまでコメディとして、ですけどね。

どうでもいいけど、表紙のイラストは現在出ているバージョンが良いです。このレビューに表示されるイラストだったら買ってないかも・・・

ISBN:4575509701 文庫 荻原 浩 双葉社 ¥760

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