日光菩薩と月光菩薩
薬師寺に着いた。駐車場から少し歩いて、二つの五重塔を望む。特に東塔は長期改修前の最後の内部拝観ということで、長蛇の列ができている。「凍れる音楽」と称される美しい立ち姿と、長年に亘ってそこに佇立する歴史を鑑みると、確かに静かな旋律が奏でられているようにも感じる。今後の解体修理の結果、もしかすると法隆寺以前の建築の可能性もあるという。よくもまあ、今まで立ってたもんだ。

金堂ではお坊さんが、薬師寺の由来や仏教について講義してくれる。これが関西風というか、笑いのツボを心得ていて(ま、お寺に来るような人を笑わせるのは、あまり造作もないのかもしれないが)、話に引き込まれる。エンターテナーな坊さん。なかなかいない。

さてご高説を拝聴した後は、薬師三尊を拝みましょう。仕事柄、なんとなく他の如来様より親近感というか、切実感を有してしまうのは仕方ないのかな。ただ申し訳ないけど、ご本尊である薬師如来よりも、両脇に侍する日光・月光菩薩に猛烈なオーラを感じてしまったのだ。

美しいし、艶っぽいし、二体のバランスや調和がなんともいえない。おそらく一体で見るよりも、やはり陰陽、光と影が対になっていることが素晴らしいのだと思う。とにかく美しい。玄奘三蔵院伽藍に行き、唐招提寺に行ってからも再度その姿を目に焼き付けて、都合3回この菩薩様と向かい合ったほどだ。

静かな像だし、積極的に語りかけてくれるわけじゃないけど、緩やかな時間の中で、無理はしなくていいんだよと、薬師三尊らしく僕を癒してくれるような気がした。

とにかく今回の奈良仏像巡りツーリングのBEST3に入る両菩薩でした。

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