GWと言っても伊勢を抜けると道路は空いていて、順調に紀勢自動車道を南に進む。熊野市に入ると、七里御浜と呼ばれる美しい海岸線が伸びている。
海岸にせり出した岩場が浸食されてできた奇岩があって、雄のライオンが吼えているように見えるそれは、獅子岩と言う名前が付いていた。
太平洋に向かって咆哮する獅子を眺めて、熊野詣を歩く昔の人たちはどう感じたのだろう。長い道中で疲れた心と身体を、その勇壮な姿によって励まされたのかもしれないし、獅子の見つめる先に大海遥かに存在するとされた海の極楽浄土を想ったのかもしれない。
僕らは歴史という時間経過の先っぽを歩いているのだけれど、この場では何百年前と変わらぬ景色を眺めている。時の流れが一瞬混濁したような錯覚に陥る。
そして今日も、獅子は大海に吼える。
海岸にせり出した岩場が浸食されてできた奇岩があって、雄のライオンが吼えているように見えるそれは、獅子岩と言う名前が付いていた。
太平洋に向かって咆哮する獅子を眺めて、熊野詣を歩く昔の人たちはどう感じたのだろう。長い道中で疲れた心と身体を、その勇壮な姿によって励まされたのかもしれないし、獅子の見つめる先に大海遥かに存在するとされた海の極楽浄土を想ったのかもしれない。
僕らは歴史という時間経過の先っぽを歩いているのだけれど、この場では何百年前と変わらぬ景色を眺めている。時の流れが一瞬混濁したような錯覚に陥る。
そして今日も、獅子は大海に吼える。
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